拓殖大学大学院 客員教授 田中 修
2025年12月10~11日、党中央・政府共催による中央経済工作会議が開催され、26年の経済政策の基本方針が決定された。
まず経済の直面する困難・試練については、「外部環境の変化の影響がより深まり、国内の供給が強く需要が弱いという矛盾が際立っており、重点分野のリスク・潜在的危険がかなり多い」とする。
26年の経済政策の基本方針としては、より積極的で有為なマクロ政策を実施し、引き続き内需を拡大し、土地の事情に応じて新たな質の生産力を発展させ、雇用・企業・市場・予想の安定に力を入れ、経済の質の向上と量の合理的な伸びの実現を推進しなければならないとした。
マクロ政策については、「カウンターシクリカルとクロスシクリカルな調節を強化し、マクロ経済のガバナンス機能を確実に高めなければならない」とする。
財政政策については「より積極的な財政政策」と、25年の表現が踏襲され、①必要な財政赤字・債務総規模・支出総量の維持、②財政支出の最適化、③税制優遇・財政補助政策の規範化、④末端政府の「基本民生・給与・運営維持」の最低ラインの保障、⑤財政経済規律の厳格化等が列記された。
25年は財政赤字の対GDP比率が従来の3%から4%に引き上げられたが、26年も同比率が維持される可能性が高い。
金融政策も「適度に緩和した金融政策」という、25年の表現が踏襲され、経済の安定成長と物価の合理的な回復上昇を重視する方針が示された。具体的政策としては、①預金準備率の引き下げ、金利の引き下げ等の多様な政策手段を効率高く運用して、流動性の余裕を維持、②金融政策の伝達メカニズムの円滑化、③金融機関による内需拡大、科学技術イノベーション、中小・零細企業への支援強化等が明記された。
政策各論では、以下の政策が掲げられた。
「内需拡大」は、消費の面では、①消費喚起特別行動の実施、②都市・農村住民所得増加計画の制定・実施、③「大規模設備更新・消費財買い換え」支援政策の内容見直し、④サービス消費の潜在力喚起等。
投資の面では、①中央予算内投資の適度な増加、②「国家重大戦略と重点分野の安全能力建設」プロジェクトを民生分野等重視に転換、③プロジェクトの資本を補充する新型政策手段の役割発揮、④民間投資の活力喚起、⑤都市更新(再開発)の推進等。
「イノベーション」では、①新興分野の知的財産権保護、②「サービス業能力拡大・質向上アクションプラン」の制定、③重点産業チェーンの質高い発展、④国際科学技術イノベーションセンターの建設等。
「改革」では、①全国統一大市場建設、②「内巻式」競争の是正、③民営経済促進法の付帯法規・政策の整備、④企業への代金未払いの清算、⑤地方税体系の整備、⑤中小金融機関の数減少・質向上、⑥資本市場の投融資総合改革等。
「開放」では、①サービス分野の自主開放拡大、②貿易・投資の一体化、国内取引・対外貿易の一体化発展、③サービス輸出の奨励・支援、④デジタル貿易・グリーン貿易の発展、⑤外商投資促進体制メカニズムの改革等。
「地域の協調発展、都市・農村の融合」では、①県城を重要受皿とする都市化建設と農村全面振興の統一推進、②県域経済の質高い発展、③食糧等の重要農産品の合理的水準での価格維持、④農村の大規模な貧困逆戻り・貧困化防止、⑤経済大省の大黒柱としての役割発揮等。
「環境」では、①重点業種の省エネ・炭素排出削減改造、②新型エネルギー体系建設、③固体廃棄物総合対策実施、④極端天候への対応能力向上等。
「民生分野」では、①大学卒業生・出稼ぎ農民等の雇用安定、②フレキシブルな就労者・新形態就労者の社会保険参加の奨励・支援、④長期介護保険制度の推進、⑤新生児人口の規模安定等。
「重点分野のリスク解消」では、①新規住宅建設の抑制・住宅在庫の削減・供給の最適化、②分譲住宅在庫を購入して(中低所得者向け)保障性住宅として使用することの奨励、③優良住宅の建設推進、④不動産発展の新モデルの構築、⑤地方政府の債務リスクの積極的解消。
前回の会議で、これまで首位であった「科学技術イノベーション」が2位となり、「内需拡大」が首位となった。今回も「内需拡大」が首位であり、内需主導特にサービス消費の発展による成長が最重要課題となっている。
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