日中技能者交流センター、JCSEC

日中技能者交流センター
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2013年度事業報告及び2014年度事業計画・予算案を全員一致で承認

 3月17日(月)日中技能者交流センターにおいて、第10回理事会(人見理事長以下13名の理事が出席)が、また3月24日(月)には、第7回評議員会(11名の評議員が出席、議長石川茂美氏)が開催され、2014年度事業計画・予算案について審議し原案通り承認されました。以下その内容について掲載します。

議案
第1号議案 2013年度事業報告承認に関する件
第2号議案 2014年度事業計画(案)承認に関する件
第3号議案 2014年度予算(案)承認に関する件
第4号議案 新会員の承認に関する件
第5号議案 顧問の交代に関する件

 

事業報告及び事業計画(要旨)について

技能実習生受入事業

 受入実習生数は前年度に比べ9%減となりました。2009年度はリーマンショックの影響から大幅に落ち込みましたが、2010年度以降は減少傾向にあるものの、一定水準を確保することができました。また、トラブルの迅速な対応を行う等、受入企業との関係強化、信頼性の醸成を図ってきました。
 2014年度は、技能実習生受入企業を増やし、センターの財務体質を改善するため、サービスの向上は勿論のこと、新設した外部協力者ネットワークである「新規企業開拓員」の機能化を図るとともに、既存企業の掘り起しなどを行います。また、受入れ企業ニーズへの対応策として、派遣国や派遣地域の拡大を積極的に展開します。

日本語教師の中国派遣事業

 公益事業として、大きな歴史ある事業であり、中国国家外国専家局との協定のもと、2013年度は中国各地の学校に34名の教師を派遣し、国際貢献の一環として取り組みました。また、2013年10月には、河北師範大学、北京第二外国語学院で、新規事業の人材育成の一環としてビジネスマナーのトライアル授業を実施しました。
 派遣教師と中国国家外国専家局の経験交流会では、現状の課題等について意見交換を行いました。
 2014年度は、既に10名の日本語教師を選考し、事前研修会を実施して、中国内各地の学校に送り出すこととしています。今後、派遣事業強化のため、新しい派遣システムの構築を目指すとともに、実行可能な方策に取組みます。

政府委託事業「国際労働関係事業」

 日中間の政治情勢にも拘らず、中国より2チームを招へいすることができました。企業、官公庁、団体を訪問し、良好な労使関係の構築や技能訓練などの研修を行うと共に、帰国後のフォローアップ調査を実施してきました。
 2014年度についても、引き続き厚生労働省の企画提案競争入札に応募し、実施要領を提出するなど受託に向け取り組んでいきます。

新規事業の看護師育成支援事業や人材育成事業

 事業化に向け、特にカウンターパートである中国国家外国専家局、国際交流服務中心及び中国職工対外交流中心に対して、あらゆる機会をとらえ提案を行ってきた結果、専家局と「日中共同看護師育成事業に関する覚書」を結ぶことができ、大きく前進することができました。
 新規3事業とも内閣府から公益事業として認定されたことから、2014年度はこれまで以上に、優先順位を考慮し、スピード感を持って事業化に向け取り組んでいきます。


2014年度 事業計画協議団

実習生事業をはじめ各事業の推進を確認

 当センターは、2014年度に実施する事業について、中国側のカウンターパートと内容を確認し、緊密な連携体制を構築するため、理事長を団長とする協議団を派遣しました。

■北京で3機関と実務協議、その後湖南省へ

 4月6日に北京に到着した一行は、7日に中国職工対外交流中心を訪問・業務会談後、中華全国総工会・江広平副主席主催の歓迎宴に出席しました。
 8日には中国国家外国専家局を訪問し、張亜力副局長以下と協議を行い、歓迎昼食会に出席、午後には中国人力資源和社会保障部を訪問。国際交流服務中心の付躍欽主任以下と会談後、人力資源和社会保障部・王暁初副部長主催歓迎宴に参加しました。
 9日からは空路、湖南省の長沙へ移動し、湖南省総工会副主席と会見。続いて省内の張家界市を訪れ、市総工会と交流ののち、世界遺産の指定を受け、市の最大の資源とうたわれる、張家界国家森林公園、索渓峪風景区、天子山風景区の三つの風景区で構成された「武陵源自然風景区」を見学しました。
 11日、上海職工中心との交流を経て、主要団員は12日に羽田空港へ帰国しました。

■日中両国の新たな状況に適応した事業推進を確認

 北京における協議では、当センター業務計画に沿って事業を推進することを双方で確認し、実施方法等につき協議を行ました。
 まず、実習生事業については、日中両国において周辺状況が激変しているため、受入企業数拡大ならびに安定的な実習生派遣体制の確立をめざし、連携しながら推進することを確認しました。
 日本語教師派遣、ならびに国際労働関係事業に基づく職場指導者派遣・招聘についても、日中両国事情に適応した実施のあり方について協議が行われました。
 また、新規事業の推進、特に看護師育成事業を本格的に始動することで合意しました。

【団員名簿】(順不同)
 団長  人見 一夫(当センター理事長)
 秘書長 中小路 寛(当センター常務理事)
 団員  槙枝 一臣(当センター顧問)
     山森 一男(当センター理事)
     山森 洋子(旭東ダイカスト㈱監査役)
     小川 裕康(日本労働組合総連合会副事務局長)

中国職工対外交流中心・彭秘書長以下と業務会談景
中国職工対外交流中心・彭秘書長以下と業務会談

中国国家外国専家局・張副局長と会談
中国国家外国専家局・張副局長と会談

人力資源和社会保障部国際交流服務中心・付主任と業務会談
人力資源和社会保障部国際交流服務中心・付主任と業務会談

平成25年度政府委託事業

訪中フォローアップ調査を実施

 平成25年度政府委託国際労働関係事業「労働関係指導者の招へい」事業の一環として、新井力・事務局長、中村豪・総務・企画部部長の2名が、2月12日から21日の期間、北京、陝西省、江蘇省にて、フォローアップ調査を実施しました。
 これは、昨年9月と10月に来日し、厚生労働省ほかの行政機関や企業、団体を訪問して、日本の労使関係や企業における技能訓練などについて研修を受けた、中国の行政、工会(労働組合)、企業関係者を訪問し、研修に関連する中国の労働事情や、帰国後の研修の成果について調査をするものです。

 調査団員はまず北京に入り、研修チームの送り出し元である、中華全国総工会と人力資源和社会保障部をそれぞれ訪問し、最近の中国労働事情について聞き取り調査を行いました。
 中国で唯一公式とされている労働組合のナショナルセンター、中華全国総工会の組織である中国職工対外交流中心では、李暁波・副秘書長らから、業種間・地域間・性別間で広がる賃金格差と農民工、就職難と雇用難が併存するアンバランスな就労状況などについて、説明を受けました。
 続いて、人力資源和社会保障部では、昨年9月に来日した陝西省チームの団長、叶根礼・調解仲裁管理司仲裁処処長のほか、前年度河北省チームの団長であった王振麒・調解仲裁管理司副司長も出席し、仲裁制度を中心に、労働争議事情について話がありました。中国の特徴的な仲裁制度(民事・労働争議・人事争議・農村土地争議)や、仲裁の方式・期間、仲裁員の資格、仲裁案件などについて、研修で学んだ日本の状況との差異を踏まえながらの説明となりました。
 その後、陝西省西安市に移動し、研修員の送り出し元である、日本のブラザー工業株式会社の現地法人である兄弟機械(西安)有限公司と中国でも最大級の国有企業である中国西電電器股份有限公司にて、陝西省チームの研修団メンバーと面会、聞き取り調査と視察を実施しました。兄弟機械ら企業関係者からは、それぞれの企業における組合活動や技能訓練制度について話がありました。また、日本での研修では、日本は労使関係の法律が整備されていて、安定した関係を築いている印象を受けたと研修員皆が口をそろえ、もう一つのテーマである技能訓練制度の研修成果を、早速新入社員の事前教育教材に反映していく予定であるという報告もありました。
 陝西省での調査後は、江蘇省に移動し、南京市において、研修員送り出し元でもある江蘇省総工会により、江蘇省における労働状況について説明がありました。特に、江蘇省では現在、就職の問題が大きく、総工会として、就職斡旋と技術訓練の充実に取り組んでいるという話とともに、労働者の合法的権益保護の為に地方独自の法律を策定するなど、立法面に大きく力を入れている点が印象的でした。
 その後、日系企業が多く進出する同省昆山市にて、日本の株式会社豊田自動織機の関連会社である豊田工業有限公司と、世界シェア20%を占める電動工具メーカーである株式会社マキタの現地子会社である牧田(中国)有限公司を訪問し、それぞれの企業から派遣された研修員からの聞き取り調査と、あわせて視察を行いました。両社とも、工会と企業側がコミュニケーションを取ることを重視し、信頼関係をベースに、労使関係を良好に保つことを重視しているようでした。ただ、離職者が多いことが悩みという会社もあり、労使関係の向上により魅力的な会社を作っていきたいと意欲を見せていました。

 2チーム合計10名の団員全員からは、日本での研修後に感想文の提出を受けていますが、今回の訪問調査でも、「大変有意義であったので、今後も是非本事業を継続してほしい」という意見は一致していました。その上で、「労使紛争仲裁の現場を視察したい」、「企業関係者と行政関係者(公務員)で、内容の異なる研修を行ってほしい」、「研修期間を長くしてほしい」などの要望がありました。
 これら10日間の調査を終了した後、21日、調査団は上海より帰国しました。

李暁波職工中心副秘書長らと会合
李暁波職工中心副秘書長らと会合

陝西省チームへの聞き取り調査
陝西省チームへの聞き取り調査

研修員送り出し企業との会談
研修員送り出し企業との会談

 

中国派遣日本語教師

北京経験交流会を開催

熱心な意見交換の成果を今後の授業へ生かしていきたい

 2月28日から、教育交流部チーム(新井事務局長/堤教育交流部職員)が中国を訪問し、北京において国家外国専家局共同主催による「経験報告会」(3月2日)を開催し、その後新井事務局長は、3月7日まで、日本語教師ニーズの調査や看護師育成事業に関する学校開拓等を目的として中国西部地区(寧夏自治区・甘粛省)を訪問しました。

 経験交流会には、中国各地から18名の派遣教師が参加し、坂本篤子(北京理工大学)、寺坂義彦(閩江学院)、池嶋多津江(秦皇島市実験中学)、有田美枝(閩南師範大学)、岩川司(黒竜江東方学院)教師らから報告・発表があり(下欄『教師からのお便り』参照)、「中国人教師と日本人教師の授業の連携について」、「日本語学科の学生数の減少について」、「日中間大学等の交換留学について」、「事前研修会のあり方について」等率直な意見交換が、終始和やかな雰囲気の中で行われ、会議を終えることができました。
 その後、新井事務局長は、3月3日から7日まで、同局一光調研員とともに、寧夏医科大学、寧夏大学、北方民族大学、蘭州市衛生学校、蘭州理工大学を訪問し、学校側関係者と意見交換を行いました。

北京経験交流会にて経験報告をする日本語教師たち
北京経験交流会にて経験報告をする日本語教師たち

 

派遣教師からのおたより

北京経験交流会に参加して

吉林財経大学 塚山 富美子

 3月2日、日中技能者交流センター恒例の経験交流会が北京で行われた。私は、以前参加した事があった。この会で、「授業をどのように実践し、その中での問題点をどのように解決、あるいは、課題としているか研修してみたい」と思い、参加することにした。
 5人の方がレポートを発表し、予定を1時間オーバーするほどの熱心な話し合いが行われた。
 「『日本概況』という教科をどう教えるか」ということがテーマとして出された。『日本概況』は、範囲が広い為、教えるのが大変という点が挙げられた。その中で、「ただ、日本のことを教えるのでなく、学生が意欲的に取り組み、自分自身で伸びていく力を育てる為どうすれば良いか」という視点から「パソコンを使ったプレゼンテーション形式での発表を学生に課す」という報告があった。
 その報告を聞きながら、日々の授業の中で「日本語を教え込む」ことに力を注いでいるのではないか、と自身を反省させられた。2年生の会話を担当しているが、学生自身に発音、アクセントについても考えさせていく授業が必要ではないかと思った。
 さらに、プレゼンテーションへのコメントを読む中で、物事を多様な視点からみること、課題解決の方法も手に入れたとの報告があり、さっそく自身の授業の中に取り入れることにした。
 私は、会話の授業の中で2分間スピーチをおこなっている。毎回、4人ずつの発表だが、その発表者にコメントを書くというのをやってみたところ、好評であった。自身のスピーチを客観視し、次へ繋げていくということを学ぶことができるようだ。
 日本の文化の紹介という面から実際のものを提示するという報告も聞き、私の授業ではそれが途切れていたので、紹介するようにした。
 多方面からの報告があったが、一番大切なことは、「学生、中国の方々との交流」だという点をどの方も強調されていたと思う。
 今、日中関係は、微妙に揺れている。その中で学生が接する日本人は、日本語教師である私たちであり、授業の中で、国家間を越えた「人と人との交流」がおこなわれている。
 まず、その国を知る事から交流は始まり、「学生との会話、食事を一緒にする、悩みを聞く」等から、学生との繋がりを深めていくことが大切であると、この研修であらためて再認識した。
 現在、私の担当は2年生の「会話」であるが、授業の感想を学生に書かせている。学生はその中で、「自分の日本語の発音がよくない。どうしたら良いか」「“どうも”は、すごい単語。すみません、ありがとう、の意味も含む」「4人でロールプレイをやったが、前にでたら会話を忘れてしまった」等々書いている。
 この感想は、授業構想を練る上でも有効である。この感想文にペンを入れるのは、かなりしんどい時もあるが、交流会で出された「人と人との交流」の一つの方法であり、それらの文の中に大きな宝物があるような気がしている。これからも続けていこうと思っている。
 さらに、学生の感想の中から、発音に自信のない学生のための特別レッスンを考え、小さな一歩であるが個別授業を始めている。
 学生、中国の方々との交流を根本に据えながら、この経験交流会で得たものを今後の授業に生かしていきたいと考えている。

昨年8月赴任時の授業にて
昨年8月赴任時の授業にて

授業の中でロールプレイをしている学生
授業の中でロールプレイをしている学生


コラム・一ツ橋

国際交流事業の大切さを痛感

 未曾有の被害をもたらした東日本大震災から3年経った。大震災により亡くなられた多くの尊い命に深く哀悼の意を表します。
 いつも3・11が来るたびに思い出すことがある。それはマスコミでも取り上げられたが、地元の監理団体から中国人技能実習生を受入れていた水産加工会社専務の佐藤さんが、実習生20名を高台に避難させ、その後自らは、仕事に戻ったところ、津波に巻き込まれ犠牲になったという悲しい出来事である。
 その実習生等は、佐藤さんに恩を感じつつも、すぐ中国へ帰国したが、1年後に実習再開のため再来日した。命の恩人である佐藤さんへの恩返しと、会社で今必要なのは労働力だと考え、戻らなくてはとの思いだったという。命が危険に晒されても、純粋な他人への愛情、犠牲心はどこの国民にも共通したものである。また、佐藤さんの普段からの愛情に溢れた指導が、実習生たちの心をそうさせたのだろう。
 このような心が通った触れ合いを通じて、初めて、相手を思い、理解し感謝する心が生まれるのである。我々は、このような素晴らしい国際交流事業に携わっていることに、誇りを持つとともに、今こそ一層、この事業を広めて行かねばならないと思う。

専務理事 河野 操一

 

四国支所からの便り

愛情を込めて美味しい食品をお客様のテーブルに!

 2014年4月12日、12名の女性実習生一行は一年ぶりに下関に戻り、オリエントフェリー㈱の“ゆうとぴあ”号で、彼女たちの故郷の青島へ帰りました。
 ちょうど一年前、彼女達は同じ“ゆうとぴあ”号で憧れの日本に上陸しました。この“ゆうとぴあ”号は中国語で“理想之国”号と訳されています。確かにこの船に乗れば、船首でも船尾でもどこに乗っても、彼女たちにとっては“理想の国”です。
 この一年間の実習期間中、彼女達は非常に勤勉で、日本語と日本の優れた生産技術や管理知識を勉強し、日本に対しての理解も大変深めました。また、一生懸命実習したことで、家族にもいいお土産ができました。さらに一生懸命、愛情を込めて作った美味しい食品をお客さまのテーブルに提供することができたことが、この一年間の実習における一番のお土産となったことでしょう。
 再見、ごちそうさん!


愛情を込めて作った美味しい食品と一緒に
愛情を込めて作った美味しい食品と一緒に

 

「友の会」の会員になりませんか!

 「友の会」は、センターと会員とを結ぶフォーラム(開かれた広場)です。もちろん、参加は年齢を問いません。会員になられた方々には、センターから「センターニュース」等の配布を始め、各種イベントのご案内をさせていただきます。一方、会員の方々からは、センター事業の発展に反映させるためにご助言やご協力を頂ければと考えています。企画が具体化しましたなら、改めてご案内させていただきますので、よろしくお願いいたします。


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