日中技能者交流センター、JCSEC

日中技能者交流センター
ライン

新年祝辞

理事長 顔写真

公益財団法人日中技能者交流センター理事長

人見 一夫

 

 新年あけましておめでとうございます。
 会員各位はもとより関係団体・組織の皆様には、日頃より当センターの運営につきまして格段のご理解ご協力を賜り、深く感謝申し上げます。
 昨年は大変厳しい一年でしたが、皆様方のご協力の下、各事業を進めることが出来ました。ありがとうございました。
 今年は日中技能者交流センター設立30周年を迎えることになります。これも偏に諸先輩・関係者の皆様のご尽力の賜物と深く感謝申し上げる次第です。この節目を迎えるにあたり、当センターのこれまでの足どりをたどり今後の発展に向けた取り組みを行います。3月には訪中団を派遣し、北京にて中国職工対外交流中心と共同でシンポジウムを開催致します。11月15日には東京で記念のシンポジウムとレセプションを開催します。また、30周年を記念して「日中友好促進基金」を設置します。この基金を活用して日中友好促進のための調査・研究等の事業を行います。
 私どもは、当センター設立以来、今日まで築いてきた中国関係機関との連携をさらに強固なものとし、日中両国間の友好関係増進に積極的に寄与する所存です。昨年からベトナムからの技能実習生の受け入れも始めました。送出し機関、受入企業のご協力の下、しっかりと取り組んでまいります。
 今年は技能実習制度も大きく変わります。新制度の下、技能実習事業をはじめ日本語教師派遣事業、新規事業の開拓等、役職員一同、さらなる発展に向けて邁進する所存です。
 関係者の皆様の今年一年のご多幸を祈念してあいさつといたします。

 

通称名決まる“HRDアジア財団”

第16回理事会、第12回臨時評議員会

 新年、おめでとうございます。年頭の本紙を通じて、30周年記念事業の一環として取り組んでまいりました組織の通称名についてご案内させていただきます。
 私たちは、30周年記念事業の具体化に当たって、「顔の見える日中市民の関係」の促進を基本的なスタンスとしつつ、同時に、多様性の度合いを益々深めるグローバル世界の中で持続可能な組織を目指して、ポスト30周年の時代を切り拓いて行きたいと考えています。私たちにとって、センターのそもそもの出発点である中国との関係とグローバル化の中での組織の持続性はコインの両面です。
 技能実習事業の面からみると、センターは、従来、ほぼすべての実習生を中国から受け入れて来ました。しかし、中国が経済的に大きく発展する中で、実習生として中国から来日するインセンティブは大きく減じ、代って、ベトナムの進出が顕著となっています。実際、センターレベルで見ても、2014年度に若干名から始まったベトナムからの実習生受け入れは、15年度には100名を超えるほどになりました。この傾向は、さらに進み、将来的には、ベトナムからカンボジア、さらにはアジア最後のフロンティアと言われるミャンマーへと推移して行くであろうことが容易に想定されます。センターの通称名の使用は、従来の中国だけでは網羅できない、こうした時代の流れの中から生まれてきました。
 昨年10月9日に開催された理事会、評議員会は、この考えに立って、以下を通称名とすることに決定しました。

(公益財団法人)HRDアジア財団(Foundation for Asia Human Resource Development)

 「HRD」は、「人材開発」や「人材育成」の意味です。センターの事業が、技能実習生の受け入れにしろ、日本語教師の派遣にしろ、さらには新規事業として実現を目指しているテーマ別研修プログラムにしろ、それらがすべて人材開発に繋がる点に着目しました。そして、事業として展開する対象地域は中国を含めたアジア全域です。
 技能実習制度の抜本的見直しが来年度までには行われることから、この動きを見守りつつ、当面は定款上の名称は変更しないこととし、今年3月までの周知期間を経て、2016年度から通称名の使用を開始します。
 通称名の使用にあたり、私たちが強調したいのは、中国の3つの組織、中国職工対外交流中心、人社部国際交流服務中心、そして中国国家外国専家局との間に築かれた強いパートナーシップです。これは、センターにとって、過去と現在そして未来においても変わることのない貴重な財産です。この財産を継承しつつ、新たな発展に向けて努力を続ける所存です。
 皆様の、従来にも増した、ご理解とご支援を心からお願いいたします。

専務理事/事務局長 新井力

 

第2回中国人日本語教師スキルアップ研修会

 11月13日から14日の2日間において、当センターと中国国家外国専家局の共催、福建省外国専家局と福建師範大学の協力を得て、第2回目となる中国人日本語教師スキルアップ研修会が福建師範大学で開催されました。

◆     ◆

 今回の研修会は、事前に学校側から要望のあった「聴解指導」に重きを置いて、「音声・日本語表現・日本語の語彙・漢字指導・クラスアクティビティ」を主な内容とする研修会を実施。福建省の10大学から30名の教師が参加しました。研修を修了した参加者からは、「音楽やゲームなどを活用して、初級の日本語を教える方法は、普段の授業に取り入れやすく大変参考になった。」、「楽しく学ぶことができてよかった。」など好評価を頂きました。

 

『トキ』は不思議な貴重品 福建師範大学でのスキルアップ研修を終えて

柴野 たまの 講師

 時がたたないとわからないことがある。時間をかけて、はじめてわかることがある。
 福建師範大学はじめ、10校からの参加者30名は、ほぼ初対面の先生方。血液型グループ分けゲームでアイスブレーキング。いろいろな型が混じったグループは議論も活性化するという。「日本語ってどんな言語?」こんなテーマでウォーミングアップ。
 「日本語は平らな言葉です」が最初に出た意見。中国語の四声に比べ、隣との相対的な高低アクセントは平たんに聞こえる。母語との音の違いは学習者が苦労する要因の一つだ。
 次の発言は「日本語は漢字を使います」。そう、中国から入ってきた漢字、漢字のない日本語はあり得ないのだ。あるグループ内で「片仮名は易しいです/片仮名は難しいです」と対立。「ほら、血液型が違うと思考回路も異なるらしいョ、どちらも正しいです」と話が広がった。中国では小学生で3000もの漢字を学習するそうだが、日本の常用漢字は1945字。小学生に「麒麟」は難しい、「キリン」の方が易しい。そういうわけで、動植物名はカタカナで書くことが多い。「フラフラする」とは言うが「グーグーする」は言えない。「ペコペコだ」と「ペコペコする」は意味が違う。使い方はちょっと難しい。ある学習者が急に日本語が上手になったように感じられた。オノマトペがうまく使えていたからだったという話も聞いた。日本人はカタカナ語を多用する。強調したいとき(「トキ」)も片仮名を使う。
 【漢字】【カタカナ】【ひらがな】この3種類の文字を持つという点において、日本語は世界の他の言語に例を見ない特異な言語なのだ。
 『音声』は今回も研修要望第一位。話は禁止し、鳴き声等の音で仲間を探してグループ作り。30名一斉に鳴き始める。「シーシー」という声が聞こえる。「シーシー」って鳴くものなんだぁ?思わず堤さん(センター職員)と顔を見合わせた。仲間が見つからない人もちらほら…。「ガッガッ」と「ケロケロ」が同じグループ、「シーシー」は「ミーンミン」と仲間。ネコもブタも、それぞれが何種かの鳴き声、カタカナ表記は難しい。
 〈アクセント・イントネーション・プロミネンス・ポーズ・リズム〉をさっと検討して、プロソディイ(韻律)重視の授業へと議論を続けた。
 『楽しい授業にするために』完璧主義は敵なり。遊びの中にも学びあり。急ごしらえでコントをしようということになった。さすが先生方、すぐ候補の手が挙がり4〜5分の打ち合わせで始めた。全員両手を上で合わせる。日本語のリズム、2拍4拍子で左右に振りながら何でもわかる魔法の呪文「福州よいとこ一度はおいで、不到福州不好漢」皆、嬉しそうに唱えていた。
…♪ヤア ヤア ひさしぶり〜 ヤア ヤア 達者かね〜
 ♪〜同級会音頭も和気あいあいに研修会は終了した。
 今わからなくてもいい。ただ時がたつ、それだけでもいい。
 前を向いている限り、むだなことは何もない。『トキ』は不思議な貴重品。


記念写真
記念写真


なんでも分かる魔法の言葉 〜ゲームや遊びを取り入れた授業①〜
なんでも分かる魔法の言葉
〜ゲームや遊びを取り入れた授業①〜


マイナンバー 〜ゲームや遊びを取り入れた授業②〜
マイナンバー
〜ゲームや遊びを取り入れた授業②〜


折り紙付きの修了証書
折り紙付きの修了証書

 

介護人材育成のモデルケースをめざす

〜介護事業4者会議を北京で開催〜

 中国人介護人材の受け入れに向けた具体的協議を行うため、9月7日〜10日の日程で、当センターの新井力専務理事と中村豪総務・企画部部長が北京を訪問しました。
 8日は終日、介護学生の育成支援をするNPO日中介護事業交流協会と陝西省工運学院、及び中国職工対外交流中心との協議を行い、11月の再度の協議に向けて、それぞれが課題を整理してくることとなりました。
 また、中国職工対外交流中心とは、来年開催される当センター設立30周年関連事業についても協議を進めました。


 

第3回中国人日本語教師スキルアップ研修会を
2016年4月15・16日開催予定

 センター訪中団(新井専務理事、教育交流部職員)は、中国国家外国専家局の招聘により、2015年11月9日から15日まで訪中し、教師派遣校(黒竜江東方学院)を訪問するとともに、同校派遣教師と懇談の場を持ちました。また、2016年9月から発効する「日本語教師の招聘と派遣に関する協議書・覚書」の改定や第3回中国人日本語教師スキルアップ研修会の実施等について、専家局と協議を行いました。
 この結果、第3回中国人日本語教師スキルアップ研修会を2016年4月15日、16日で予定することとなりました。


 

センター新事業“製造現場改善実践研修会”開催、好評を博す

 当センターは、2015年10月28日、29日の2日間、浙江省において日本の中小企業診断士による研修会「製造現場がみるみる良くなる、ものづくり改善の実践的進め方」を開催しました。この研修会はセンターが中国国家外国専家局と共同して取り組んだ初めての試みで、大好評を博しました。(詳しくは当センターホームページをご覧ください。)


 

派遣教師からのおたより

2016年を迎えるにあたって

斉魯理工学院 日本語教師 米村 美智子

 斉魯理工学院は山東省の省都済南より120㎞南の曲阜にあります。曲阜は孔子の生まれたところで有名です。ここで1年生の会話、3年生の商務日本語、作文、4年生の新聞選読を教えています。日本語学科の学生は減っておりますが、学生はやはりアニメの影響で日本語を学びたいと入学してきた人が多いです。
 3年生は1クラスは今年入学してきた「専升本生」(3年編入生)のクラスです。23名中6人N1を取得しています。中には会社に就職したが日本語力をもっとつけたくて、編入してきた学生もいるので、レベルとやる気があり、教師にとっては、やりやすいクラスです。時々ビジネスマナーの実技練習(名刺交換)も入れています。
 4年生は、新聞記事を読みながら、日本の時事や文化などを学んでいます。Yahooなどから記事を選び、学生にも毎時間、パワーポイントなどを使ってグループ発表してもらっています。
 こちら曲阜の生活は初めの1ヵ月は慣れませんでしたが、今はインターネットの接続が時々切れることぐらいが難点です。教室には日本から持ってきたパソコンを持っていき、毎回学生にプロジェクターを持ってきてもらい、パワーポイントを使って授業をしています。プリンターがないので不便です。
 生活は大学の前の道路に沿って小さな店がたくさん並んでいます。毎日この辺の食堂や学食で食べたりします。私は炊飯器を購入し、歩いて15分ぐらいのところにあるスーパーで買物して宿舎で作って食べています。果物が豊富でしかも安いのがうれしいです。
 2016年の日本語教師としての抱負は、1、2年生に対しては発音、アクセントをしっかり身につけさせ、会話ができるようにしていきたいです。すでに自宅にも招待し一緒に巻きずしや天麩羅を作ったり、着物を着たり、折り紙を折ったりと日本文化に触れさせています。携帯電話の普及でインターネットで手軽に日本のアニメや漫画やドラマが見られます。3年生は作文の時間に、1月早々に課題が発表になる、作文コンクールに提出する作文を書かせ、モチベーションを高めていきたいと思います。山東省には日系企業もあります。一度日系企業を訪問してみようと思います。また日本語能力試験N1取得のための対策をできたらと思います。4年生は大学院進学とか就職とか進路を決めています。4年生に関してはできるだけ進路のお手伝いをしたいと考えています。
 個人的には、中国の生活を家族や友達に知らせたく、ブログを書いています。一日本語教師から見た、中国での日常生活を知ってもらえたらと思います。そのためにももっと中国の方との交流を深めたいと思います。先日、大学からの紹介で「第一回漢式集団婚礼」に参加して伝統的な婚礼を体験してきました。このように微力ですが、日中友好のために尽くしたいと思っています。


曲阜市文化館にて「第1回漢式集団婚礼」にて
曲阜市文化館にて「第1回漢式集団婚礼」にて


私の宿舎で1年生の食事会のあと着付けする
私の宿舎で1年生の食事会のあと着付けする


学生と作った天麩羅、カレー、巻きずし、ポテトサラダ、鯉の蒸し煮
学生と作った天麩羅、カレー、巻きずし、ポテトサラダ、鯉の蒸し煮


折り紙
折り紙


日本語の先生方と食事をする
日本語の先生方と食事をする


 

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