日中技能者交流センター、JCSEC

日中技能者交流センター
ライン

実習生、受入企業、当財団
よりよいコミュニケーションのトライアングルを

2019年度「技能実習生受入企業代表者会議」を開催

 当財団では毎年、「技能実習生受入企業代表者会議」を開催していますが、本年は9月13日から、全国5か所で開催しました(別表参照)。5会場あわせて受入企業59社71名の方が参加しました。
 今回の開催目的は、以下の2点です。
①「技能実習生と受入企業とのよりよいコミュニュケーションを深め、安心して技能実習活動ができる環境づくりを目指す」
 席上、技能実習新法で必修となった受入企業の実習責任者講習を未受講の企業は猶予期間が終了する来年3月までに講習を受けるよう要請しました。
 また、初めての試みとして、「技能実習生と受入企業とのよりよいコミュニュケーションづくり」をテーマに、ベトナムおよび中国の送出し機関3機関の講師から特別報告が行われ、実習生との接し方、日本語習得の重要性などについて報告されました。
②「新しい外国人受入制度(特定技能)の内容と課題を共有し、今後の対応方針について理解を深める」
 本年4月にスタートした「特定技能」制度について、今後、技能実習2号の修了者のうち希望者は、「特定技能」または「技能実習3号」を選択する事ができますが、制度の詳細がいまだ不明であることから、当財団は当面、1社について先行的に実施し、課題を検証している事を説明しました。
 最後に、受入企業・監理団体の連携を密にし、実習生とのコミュニケーションを深め、事業を円滑に進めていくことが確認されました。


2019年度 受入企業代表者会議 開催場所


関東会議であいさつする泉理事長
関東会議であいさつする泉理事長


関東会議
関東会議


四国会議 参集した企業担当者
四国会議 参集した企業担当者



新たな事業展開を協議

中間期事業調整団が訪中

 2019年度下半期に向けた当財団の事業展開について、関係機関との協議を行うために、10月21日から25日の日程で、新井副理事長を団長とした訪中団を派遣しました。

 一行は、10月21日に北京に入り、22日にかけて、中国職工対外交流中心(以下、職工中心)、中華全国総工会、中国科学技術部外国専家服務司(以下、専家司)、中国対外人材開発諮詢公司、人力資源和社会保障部国際交流服務中心(以下、服務中心)を訪問し、各組織と業務会談を行いました。
 協議の中では、日中間で進めている上半期の事業実施状況の総括を行い、それを受けて下半期から来年度にわたる事業展開についての調整が行われました。
 職工中心及び服務中心では、既存事業の他に新規事業についての提案等を行い、専家司では、旧専家局との統合後、中断していた日本語教育について、新たな連携と協力のもとに協議書の締結等を確認しました。
 23日からは、職工中心の同行を受け、河南省の洛陽市を訪問し、地方及び省の総工会との交流や現地の工場・勤労者支援施設等の視察を行い、25日に北京から帰国しました。


【訪中団名簿】
団 長  新井  力 副理事長
秘書長  中小路 寛 常務理事
団 員  星 知志穂 総務企画部部長
     中村 泰子 財政部職員


服務中心との業務会談
服務中心との業務会談


専家司との業務会談後
専家司との業務会談後


職工中心との業務会談
職工中心との業務会談


中国対外人材開発諮詢公司との業務会談後
中国対外人材開発諮詢公司との業務会談後



19年度上半期の事業内容等が承認されました

第32回理事会と第20回評議員会を開催

 10月18日、当財団会議室にて、第32回理事会と、第20回評議員会が開催されました。上半期の事業活動報告と財政収支報告が行われ、全会一致で承認されました。
 中心事業である実習生事業は受入人数等おおむね堅調に推移していること、新しい「特定技能」制度への取り組み、教師派遣事業の今後の見通し、などが報告されました。また、評議員、監事の退任・新任が承認されました。(別項)


評議員の交代
【新任】 竹田 好孝/全日通労働組合 中央副執行委員長
【退任】 山田 昌敏/全日通労働組合 中央副執行委員長※


監事の交代
【新任】 細野 誠一/公益財団法人総評会館 専務理事
【退任】 小山 正樹/公益財団法人総評会館 相談役※
(※印は 前 または 元職)


第32回理事会
第32回理事会


第20回評議員会
第20回評議員会



派遣教師からのおたより

みずから考える人に 若者たちの成長を願って
東北電力大学創立70周年に思う

東北電力大学 若松 礼子

 ここ吉林の秋は短い。中秋を過ぎると朝晩は10度を下回り、ぐっと涼しくなった。
 日中30度の8月末に新入生を迎え学生数は2万人を超えた。9月7日に、新校区の入り口から会場のスタジアムの入り口まで案内係りの女子生徒達が赤のチャイナ服で何十人も等間隔に道に並び、創立70周年の記念式典が朝から華やかに行われた。先生方や多くの学生達が出演した晩会まで、たくさんの招待客とともに楽しませてもらった。実はその日、夕方から天候が悪化し、晩会は大雨の中で開催された。民族衣装が雨に濡れているのに、回るたびにふわりと丸く膨らんでいっそう美しかった。雨の中で出演した生徒はもちろん、見ていた私にとっても一生忘れられない晩会になった。いつも完璧なまでに演目をこなす学生達に雨に負けない拍手や歓声が広い校庭いっぱいに惜しみなく鳴り響いていた。
 学生達はほんとうに勤勉で、そして素直だ。3年生でさえ、中学生や高校1年生かと錯覚するほどだ。全寮制で6人部屋に住む彼ら、彼女達は、皆、仲が良い。ウイチャットのモーメンツの会話はにぎやかだし、寮に遊びに来る時もたいてい4人以上で来る。6階の女子寮は西日で暑く、勉強は、図書館に行ったり、クラスの教室に行ったりする。
 日本語教師1年目前期は、2年生と3年生の会話。後期は2年生の会話と3年生の写作。2年目前期は2年生の写作と3年生の会話。後期は2年生の写作と3年生の写作。そして今年、3年目前期は1年生の会話と3年生の高級会話を担当することになった。
 「あいさつは、明るく元気に、いつでもどこでも誰とでも、先に自分から、次に一言あいさつしよう」の標語で3年生の会話の授業を始めた。その日の宿題に出した「『折句』による自己紹介」も、自分を表現する言葉をたくさん捜して2週目に発表してくれた。1年生の授業は10月1日の国慶節の後に始まる。はじめての1年生の授業を今から楽しみにしている。日本語を学んで良かったと思える授業になるよう工夫すべく準備をしている。
 日本語を通じて、日本の文化や日本人のものの見方や考え方にふれ、良いところを取り入れ悪い点を反面教師として、中国の良いところと相まって、自ら考える人になってほしい。これからの国際人たる若者の成長の手助けがほんの少しでもできるなら、これ以上の喜びはない。定年後に私達夫婦にこのような環境をくださった財団に心から感謝している。


1年目前期3学年151組 会話授業の後で
1年目前期3学年151組 会話授業の後で


2年目後期4学年153組 おそろいのTシャツで
2年目後期4学年153組 おそろいのTシャツで


2年目後期2学年171組 写作授業
2年目後期2学年171組 写作授業


2年目前期3学年161組 会話授業の後で
2年目前期3学年161組 会話授業の後で



フォトコラム

実習生フォトレポート
私たち全国各地で日本文化を体験しコミュニケーションを深めています!

 HRsDアジア財団は、技能の習得とあわせて、地域社会との交流や日本の文化を学ぶ機会をアレンジする受入れ企業の活動を、強力にサポートしています。今回は、企業からご提供いただいた写真を中心にレポートします。

BBQでコミュニケーション①


駐在員のお心遣いをめぐって 中国駐在員だより

あなたの花を咲かせよう

国際交流服務中心 駐在員 範愛東

 月日の経つのは速いものだ。三年間あっという間に過ぎてしまいました。駐在員として今年の11月満期を迎え中国へ戻るようになりました。顧みると、時々、実習生から「先生、もう日本長いですか?家族もこっちにいますか?」とよく聞かれました。「先生もあなたたちと一緒で三年間働き、実習生ですよ」と冗談半分で答えていました。そういう時初めて日本に来た実習生たち、「そうなんですか、先生も私たちと同じ実習生です」って笑いながらホッとして安堵感を得ました。私もいつも「三年間頑張って大丈夫ですよ。困ったことがあったら一緒に乗り越えましよう」と励ましてあげます。
 わたしは、初めて「実習生」という言い方を耳にした時、「実習生って、どんな学生さんですか」と大きな疑問を持ちました。日本へ来る前に北京研修所で半年ぐらい日本語を教えましたが、実習生たちはどのくらい日本語を覚えられますか、どのくらい喋れますか、不安と緊張で胸がいっぱいでした。
 最初に、彼らは日本語を勉強するのが、確かに大変でしたが、勉強していくうちに個人の才能と努力によって、日本語を身につけるようになり、同時に(公財)日中技能者交流センターから派遣された日本人の先生と会話の練習を重ねて、知らず知らずのうちに日本語でしゃべるようになりました。研修閉講にあたり、定番の「故郷」という歌を合唱します。毎度「志を果たして、いつの日に帰えらん」との歌詞を聞くたびに涙をこぼしていつも感動させられます。実習生たちが自分と家族の夢を抱えて全く分からない日本へ来て、仕事を頑張って、国家資格までの技能検定試験に見事に合格することができ、本当に尊敬されるべき人たちです。
 三年間「何もない羽島ですよ」と言われた研修所でも思い出をいっぱい作りました。事務所の皆さんの仕事に対する必死に頑張る姿、学校の先生たちは厳しく優しく育て思いやりのある心、一ヶ月の間に日本語とルールを習得して、ちゃんとした実習生に変身したことを自分のことのようにうれしかったです、永遠に忘れられません。「先生、私たち日本語はまだまだ駄目ですが、頑張ります」とよく言ってくれた実習生たちの向上心が時々目の前に浮かんできます。残念ながら、今まで体験したことがない様々なトラブルもありましたが、それでこれからの実習生事前教育に役立ちとなり、貴重な経験も収穫しました。
 皆さん、ごきげんよう!ささやかな幸せでもいいからいつまでも心からお祈りしております。応援しますよ。



地方駐在員だより

「実習生のために!」

大阪駐在 堀 和夫

 彼女たち5名を見てきたこの1年。
 楽しく喜んでくれた実習生が先日帰国した。関西空港で、笑顔でいっぱいだったこの写真。見送りには、企業の所長をはじめ、多くの仕事仲間で飾った。
 ごく普通に実習指導をするなか、時にはすれ違いもあり、腹痛で救急車に運ばれた時もあった。面談を重ねるなか、お互いの気持ちが通じ「ホリさん⤴、HORIさん⤴」と言ってくれた。何気ないが、うれしかった。そして「N2」合格もスゴイ。ふと気が付いたら帰国の案内をしていた。私にとっては、あっという間の楽しく本当に良き事例です。より良い環境下での実習に本当にありがとうございます。
 一方、見送りも実習生と私だけという時や精神面で病み面談を重ねるが失踪へと、残念なこともあります。母国に家族・子供をおいて、バラ色で日本へと来ていたと思うと心苦しいです。
 様々なことがありますが、実習生から「良かった!」と本当に愛され頼れるようにと思うばかりです。


笑顔で帰国する物流作業の実習生5名 関西空港にて
笑顔で帰国する物流作業の実習生5名 関西空港にて



一ツ橋

「弱者」に対するまなざしを

 「超大型」「猛烈な」といった物騒な表現が常套句となってしまいました。台風の襲来が度重なった今年の秋。被災した方々へお見舞いを申し上げるとともに、このニュースをお読みのみなさまも、さまざまなご苦労をされた事とお察しします。
 私の自宅近くにあるコンビニでは、店員の主力がベトナム人就学生たちなのですが、暴風圏のただ中でも店の明かりが消えることはありませんでした。私たちが日本各地の受入れ企業へ派遣している外国人技能実習生のみなさんも、おおむね大過無いようでしたが、彼ら外国人は言葉の壁もあり、ともすれば非常時に「災害弱者」となりかねません。
 私たちも監理団体として、非常時に対する備えや働きかけを強化していきますが、あわせて、日本国、地域の行政、そして日本国民が力を合わせ、そうした「弱者」を生み出さないよう心がけていく日本になればよいなあ、と願っています。(HN)



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