日中技能者交流センター、JCSEC

日中技能者交流センター
ライン

2026年 新たな年・節目の年を迎えるにあたって

理事長

 あけましておめでとうございます。
 旧年中は、当財団に対しまして、会員の皆様をはじめ関係各位にひとかたならぬご理解・ご協力を頂き、ありがとうございました。
 おかげをもちまして、昨年は新型コロナウイルス感染の影響が少ない中で、技能実習生の入国が順次すすみ、特定技能外国人の受け入れも増えてきております。
 本年は、昨年6月に成立した「育成就労制度」に関する基本方針や運用方針等の具体が示され、2027年の施行にむけ動き出す年となります。その動向に応じて関係の皆様とも情報や課題等を共有しながら対応策の検討を進めてまいります。
 当財団は、今後もアジアの若き人材育成や相互理解に基づく交流等を通して、各国の発展に寄与してまいる所存です。
 関係各位からの信頼を得て、その期待に応えられるよう、役職員一同尽力してまいりますので、本年も皆様のご支援・ご協力をお願い申し上げます。
 本年が皆様にとりまして健康・安全で、良い年となることを心からご祈念申し上げ、新年にあたってのごあいさつとさせて頂きます。

HRsDアジア財団(公益財団法人 日中技能者交流センター)
理事長 岡島 真砂樹

設立40周年を迎えるにあたって

 設立40周年を迎えるにあたって、これまでの当財団の歩みについて振り返ってみたいと思います。
 当財団は、1986年の設立以来、アジア各国との国際交流・国際貢献に資する諸事業の推進・発展に努めてきました。
 人材育成事業につきましては、1989年に中国職工対外交流中心との間で協議書を結び、中国からの技能研修生の受け入れをスタートさせ、1996年には新たに中国国際交流服務中心からも研修生を受け入れるなど送り出しルートを拡大しました。
 2014年よりベトナムからの実習生の受け入れを始め、その後急速に増加し続け当財団の8割を超える程になりました。2014年にはカンボジア、フィリピン、2023年にはインドネシア、ミャンマーからと実習生の受け入れ地域も拡大してきています。
 そうした中で2020年からの新型コロナウイルス感染の拡大により、外国人の入国制限や入国停止措置が取られ、当財団は危機的な状況に陥りました。
 しかしながら、2022年にはウイルス感染も沈静化し、以降実習生の入国も順調に進み、特定技能外国人の受け入れも増加し、回復基調となっています。
 日本語教師派遣事業につきましては、中国国家外国専科局と連携して1989年に開始しました。2015年に第1回日本語教師スキルアップ研修会を開催し、以降年2回のペースで計6回研修会を行いました。
 その後、コロナウイルス感染の影響もあり、研修会は途絶えておりましたが、2022年には中国国際人材交流協会と連携してオンラインによる研修会を再開し、2025年には対面による研修会を8年ぶりに北京で開催しました。
 中国の関係団体とは人材育成事業でのつながりは弱まりましたが、30年以上の長きに及ぶ交流の歴史があります。コロナ感染収束後2023年に相互交流を再開し、2024年より共同でシンポジウムを開催したり、業務会談を行ったりしています。今後も交流のあり方を模索しながら友好関係を大切にして民間交流を継続していきたいと考えています。

新制度施行にむけて

 2027年4月からの育成就労制度の施行にむけ、昨年12月に分野別運用方針が有識者会議で示されました。今年4月からは現行の管理団体に変わる監理支援機関の事前申請が始まります。
 引き続き、優良要件を満たす団体として認められるように進めてまいります。
 また、新制度施行日時点ですでに技能実習を行っている場合は、経過措置として引き続き実習が継続可能となっています。現行制度への対応に加え、新制度にむけた体制作り、環境整備が喫緊の課題となっています。大きな変革期を迎え、新たな事業戦略や新制度への対応等を検討しながら着実に準備を進めてまいります。
 当財団には、全国に2000人を超える実習生・特定技能外国人等がいます。自分の国を離れ、各々が様々な思いや目標をもって各地域で実習に励んでいます。こうした実習生・特定技能外国人がやりがいをもってがんばっていけるよう、一人一人に寄り添ったサポートをしていかなければなりません。
 私どもの理念である「ひととつながる」「ひとをささえる」「ひとをそだてる」をキーワードに、今後も送出し団体や受け入れ企業、関係機関との連携を深め、事業を推進させてまいります。当財団に対する関係各位のご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。


新たな関係発展に向けて
昨年度に引き続き訪中団を派遣

 当財団は1986年の設立以来、中華全国総工会および関係組織、中国の政府関係機関等と長きにわたり交流を深めてきました。
 新型コロナウイルスの感染の影響で相互交流が一旦途絶えたものの、2024年には交流を再開し、共同でシンポジウムを開催したり、業務会談を行ったりしてきています。
 2025年度も昨年10月22日~26日にかけて岡島理事長を代表とする訪中団を派遣しました。中国のパートナー3組織とは事前に内容を詰めた上でシンポジウムや業務会談を行いました。今後も友好関係を継続していくとともに、新たな交流のあり方や共同でできる事業を模索していくことを確認しました。
 また、中国との交流の窓口であった鮎澤専務が7月北京で逝去された際に、中国での様々な手配や対応等に感謝の意を伝えるとともに、日中両組織が揃って専務を偲ぶ機会ともなりました。

中国職工対外交流中心とのシンポジウム

 2024年度は日中両国の社会的課題である「少子高齢化」をテーマにシンポジウムを行いました。今回は昨年度の流れをふまえ、また同交流中心が4月に日本を訪れた際に介護関連施設を視察されたこともうけ、今年度は「介護分野」にテーマを絞って開催しました。
 北京市に隣接する河北省の養老施設を会場とし、シンポジウムに先立ち、施設の方から説明を受けながら見学をしました。90万㎡を超える広大な敷地に約7000人の入居者がおり、居住スペースに加えて生活・医療・文化・娯楽など数多くの施設が完備されています。その規模の大きさに驚かされるとともに、高齢者が楽しく、やりがいをもって暮らせるよう様々な工夫がされていることに感心しました。
 シンポジウムでは、介護制度や介護人材等について発表しあいディスカッションしました。
 日本側からは当財団の妹尾理事より「日本の高齢化と介護需要の拡大、外国人介護人材の受け入れ」について、塩田理事からは「日本の介護制度と課題(中福祉・高負担感)」について報告しました。中国側からは「中国の介護業界の現状と対策」、「中国の長期介護保険制度」について報告がありました。
 日本側からは介護人材確保の観点から介護職員の給与・処遇等の改善、外国人人材の活用の必要性等について発言しました。中国側からは介護人材の育成に向けて、介護の魅力や介護スキルの価値を高めることが重要との意見が出されました。両国の介護制度に違いはあるものの、今後ますます加速化する高齢化に伴い、介護人材の育成及び確保が大きな課題であることを共有しました。

シンポジウムテーマ「日中両国の介護分野における現状と課題」

シンポジウムテーマ「日中両国の介護分野における現状と課題」

養老施設視察

養老施設視察

中国パートナー3組織との業務会談

中国職工対外交流中心との業務会談

 同交流中心とは、シンポジウム開催の前日にシンポジウムの意義や内容等を確認するとともに、今後の交流のあり方について協議しました。また、シンポジウム終了後にも意見交換を行いました。
 同交流中心からは、40年近くにわたる友好関係を今後も大切にしつつ、新たな交流関係を模索する転換期を迎えているとの認識が示されました。日本側からは2回に渡って開催したシンポジウムを総括した上で、今後の交流のあり方を検討してはどうかと投げかけました。また、2026年度は日本で開催したいとの要望を伝えるとともに、開催の内容等の具体について今後協議していくことを確認しました。

中国職工対外交流中心との業務会談 日本側

中国職工対外交流中心との業務会談 日本側

中国職工対外交流中心との業務会談 中国側

中国職工対外交流中心との業務会談 中国側

中国国際人材交流協会との業務会談

 同交流協会とは、当財団が中国の大学に日本人日本語教師を派遣していた経験を活かし、2022年度より中国の日本語教師・大学生を対象にオンラインによるスキルアップ研修会を毎年行ってきました。昨年7月には、対面による研修会を北京で開催しました。本研修会は参加者からも大変好評を得ており、交流の中心となってきたものです。ただ、同交流協会からは組織改編に伴い、教育という観点よりも科学技術の観点を重視した内容にしたいとの意向もあり、研修会の持ち方を含め新たな交流のあり方について協議をしました。同交流協会では地方組織の意見も集約し、対応していきたいとのことでした。
 今後とも意義のある交流を継続していくため、両組織間で連携しながら検討していくことを確認しました。

中国国際人材交流協会との業務会談

中国国際人材交流協会との業務会談

中国人力資源和社会保障部 国際交流服務中心との業務会談

 同交流服務中心とは、技能実習事業での関係がなくなってからも、新たな交流のあり方を模索しながら友好関係を継続してきました。
 昨年6月には介護分野に関して日本で視察を行っており、職工対外交流中心とのシンポジウムの内容も含め、成果や課題について意見交換をしました。今後の交流については、日本には様々な分野で高度熟練技能者がいることから、高度人材の育成に関して何か連携していくことはないかとの意見が出されました。
 また同交流服務中心は、技能五輪国際大会や職能技能学校に関する事業を行っています。2028年には愛知県で技能五輪国際大会が開催されるとのことです。日本での開催にむけ、当財団として連携・協力できることはないか検討していくことを確認しました。
 なお、在中国日本大使館一等書記官(福島氏)も同席され、質疑の中で育成就労制度に関して説明がありました。

人社部中国国際交流服務中心との業務会談

人社部中国国際交流服務中心との業務会談


2025年度 第2回全国監査会議を開催

新たな育成就労制度へ向け共通認識を図る

 11月18日(火)〜19日(水)に財団の本部、地方駐在員が東京に集い、「2025年度第2回全国監査会議」を開催しました。相互の情報交換、最新の法令等について理解を深めるために恒例で開催しています。
 開催にあたり岡島理事長から、7月に急逝した鮎澤専務理事のことに触れつつ、2025年度上半期の技能実習生及び特定技能外国人の受入れ人数の報告と下半期の見通しについて話がありました。その上で「残りの下半期も受入れ企業の拡大と企業の要望に応じて実習生・特定技能外国人の確保に向け、役職員一体となって取り組みを進めてまいりましょう」との呼びかけがありました。
 また、10月に国際交流事業として北京を訪れ、中国のパートナー3団体と交流を深め、シンポジウムの開催や今後の交流のあり方について業務会談を行ってきた旨の報告がなされ、「今後ともこれまで築いてきた中国との友好関係を大切にし、民間交流を継続していきたい」との考えが示されました。
 続いて、須藤常務理事より今年度の上半期の事業概況と今後の取り組み計画などの報告を受けたのち、監査活動に伴う留意点などを以下の項目ごとに意見交換しました。
 その後、議案に従って日頃の監査活動上の留意点や制度変更などを中心に提案し、共有化を図りました。また、各駐在員から出された日頃の課題や取り組みについて意見交換を行いました。
 翌日19日、育成就労制度が2027年4月施行となり、同特定技能制度も改正されることから、新制度に向けて監理支援機関の業務、育成就労計画の基準、転籍要件、登録支援機関の見直しの状況等についての講義を(公財)国際人材協力機構(JITCO)より受けました。その後、質疑応答を行いました。

主な議案

1 監査活動における検査項目、違反・指導事項
2 特定技能外国人の支援について
3 日本語の支援拡充に向けた体制や取り組み
4 その他
 ・脱退一時金の見直し
 ・建設技能人材機構の資格取得等奨励金制度
 ・海外送金(SBIレミット)サービス等利用
5 特定技能外国人の支援費について
6 講義:「特定技能制度に向けた育成就労制度の基本方針と関係省令の動き」と意見交換
監査会議

監査会議

JITCO講師による講義

JITCO講師による講義


第35回評議員会開催

 当財団は、第35回評議員会を書面により開催しました。議題は、「「評議員」「理事」「監事」の交代選任に関する件」の一議案でしたが、評議員全員から同意の意思表示があり、承認されました。

評議員・交代者

(任期2023年度~2027年度定時評議員会まで)

新任 青木 哲彦 情報産業労働組合連合会 運動推進局長
   小熊  栄 日本労働組合総連合会 副事務局長
退任 小田嶋 亮 情報産業労働組合連合会 運動推進局長※
   則松 佳子 日本労働組合総連合会 副事務局長※
   柳下  伸 一般財団法人 全国勤労者福祉・共済振興協会 専務理事※

理事・交代者

(任期2024年度~2026年度定時評議員会まで

新任 大好 博巳 全国労働者共済生活協同組合連合会 常務執行役員
   大喜多宏行 全日産・一般業種労働組合連合会 会長
退任 石田 昭浩 全国労働者共済生活協同組合連合会 常務執行役員※
   寺門  勉 全日産・一般業種労働組合連合会 会長※

評議員・交代者

(任期2022年度~2026年度定時評議員会まで)

新任 久保 啓子 日本労働組合総連合会 総合総務財政局長
退任 湯本 健一 日本労働組合総連合会 総合総務財政局長※

(※印は 前 または 元職)


育成就労制度に向けた日本語支援の取り組み広がる

 2027年4月より施行される「育成就労制度」において、日本語能力の要件が明確に定められます。具体的には就労開始前、就労開始時と1年後、さらに特定技能1号2号移行時にもそれぞれA1(N5)からB1(N3)までの合格や相当講習受講を求められます。
 当財団では従来からJLPTのN3以上の合格者に報奨金制度を設けており、さらに昨年の7月以降は明光キャリアパートナーズと連携してEラーニング「JAPANY」を導入して受入企業とともに支援をしています。しかし、個人でコツコツとEラーニングで学習継続をするのは決して簡単なことでないことも受講率の低さになって表れており、より受講しやすい機能を追加するなど対策を強化しています。
 一方で、企業独自で日本語研修を行うための具体的な相談が寄せられることも増えています。ある企業では、月2回の全員参加の勉強会を設定して、N4合格に向けての学習プログラムを作成して、担当の方が学習の推進役をして進めています。費用をかけずとも、身近な窓口の方が学習する機会(時間・場所)を作って進み具合をチェックして学習を後押しすることで効果が期待できる好事例となりそうです。
 日本語学習は仕事や生活と切り離して考えるものでなく、それぞれの質を上げる手段や方法の一つです。日本語力アップのための支援活動は企業と実習生たちとの結びつきや信頼感を醸成する上でとても重要な活動であることは言うまでもありません。
①当財団としても、学習支援の方法や教材の選択、学習プログラムの作成などについての相談を受けてサポートすることも可能です。
②当財団の事務所にも日本語教材の蔵書が増加中で、ご希望に応じた教材サンプルを提供いたします。日本語教育推進に関してお困りの点がありましたら、どうぞご遠慮なくお声かけください。ご相談の機会を設けさせていただきます。

K社の勉強会

K社の勉強会

増加する日本語関連蔵書

増加する日本語関連蔵書


健康でトラブルない技能実習生活を送るための役立つポイント

技能実習生等向けの各国言語リーフレットの拡充へ

 令和8年(2026年)は60年に一度の「丙午」の年である。
 近年、在留外国人が事故や詐欺等のトラベルに巻き込まれるケースが増加しています。当センターは日本に初めて来日した技能実習生等を対象に健康で安全な生活を過ごせるための留意点としてリーフレットを配布し、来日直後の研修所のオリエンテーションや面談時などの機会を活用して周知を図っています。
 リーフレットはこれまでの中国語版、ベトナム版に加え、今回新たにミャンマー語版、インドネシア語版を作成しました。
 とりわけ技能実習生等にとって、職場上での円滑なコミュニケーションとして、知っておくべきマナーやルール、犯罪に巻き込まれない生活上の留意点、保険や年金事項に注意するように呼びかけています。従来の「技能実習生手帳」(外国人技能実習機構発行)と併せた活用も有効です。
 最近では違法なネットカジノ、ネット通販による粗悪品、ネット詐欺などが急増しています。また、自転車の交通事故も増加していることから事故にあわないための情報提供を今後も取り組んでいきます。

当財団が発行したリーフレット

当財団が発行したリーフレット(中国語、ベトナム語、ミャンマー語、インドネシア語)

「交通安全ニュース」

※「交通安全ニュース」(香川県警察本部交通部発行)に当センターが各言語の翻訳を追記し活用)


一ツ橋

 令和8年(2026年)は60年に一度の「丙午」の年である。
 「丙」は火の性質を持ち、陽のエネルギーを象徴しているそうである。
 一方、「午」もまた火の性質に属するそうで、「丙午」は“火と火”が重なった、非常に強力な組み合わせとなっている。このように丙午の年は、「情熱」「エネルギー」「行動力」「改革」がキーワードとなるような年であり、物事を新しく始めるには最適の年ともされている。
 近年世の中は劇的に変化しており、一凡人ではなかなか世間に追いつくことが難しくなってきている。 だからこそ、60年に一度のエネルギッシュな「丙午」の年にあやかり、変化に対応できるよう、公私ともに何事にもスピーディーでポジティブな一年としていきたい。

(E・S)


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