日中技能者交流センター、JCSEC

日中技能者交流センター
ライン

『多民族の学生が一緒に学ぶ 街には清真食堂やモスク
寧夏回族自治区銀川市・北方民族大学』

日本語教師募集要項(2015年度版)

中国派遣日本語教師
目黒精一さん

高度を次第に下げていく飛行機の窓からは、黄褐色の小高い丘の連なりが見えた。丘の斜面には皺のような谷筋が刻まれているが、水は流れていない。砂と土と岩が織りなす乾燥地帯。中国内陸部の典型的な風景だろう。
 寧夏回族自治区の最大都市・銀川市は、乾燥地帯の高原に開けた街だ。人口は約130万人。名前から知られるように街には、帽子やベールを被った回族の人たちが目立ち、立派なモスクもネギ坊主状のドーム屋根を日に輝かせている。

日本語教師
ハンバーグ、厚焼き卵、ちらし寿司のメニューに「おいしい!」


街は東西に分かれている。東半分が古くから開けた老街、西半分は広い道路が碁盤目状に走る新市街である。私の勤務する北方民族大は、もう一つの大学である寧夏大とともに新市街の西はずれに近いところにキャンパスがある。
 民族大は学生数約1万8000人の総合大学で、今年創立30周年を迎えた。日本語学科は2006年の設置というから、今年が8年目にあたる。1年から4年まで各学年2クラスずつ、各クラス25人前後の学生がいる。
 今学期、私が持っているのは1年生の会話・聴解と3年生の作文。授業態度は真面目だが、学ぶことへの意欲が少し薄い学生もいて、日本語を勉強するっておもしろいんだよ、ということを何とか伝えたいと汗をかいている。

日本語教師
老街にある南関清真寺モスク


この大学の大きな特色は、学生の出身地が中国全土にわたっていることだ。南の海南省、雲南省から北は黒竜江省まで、さまざまな省から集まって来ている。民族分布も多彩だ。多数を占める漢族のほか、回族はもちろん、満族、壮族、苗族、土家族といった少数民族出身の学生がいて、なるほど中国は多民族国家であることを再認識させられる。キャンパス内を歩いていると、まるで中東にいるかのような彫りの深い顔立ちを見かけることもしばしばだ。
 大学の特色をもう一つあげると、大きな回族食堂があることだろう。3フロアを占める規模は、漢族食堂よりもずっと大きい。授業後、一緒に昼食を食べに行った3年生が「回族は漢族食堂では食べられないけど漢族は回族食堂も利用できる」と回族食堂の規模が大きい理由を説明してくれた。
 回族食堂は、街のあちこちでも「清真」の看板を掲げて営業している。清真の文字の下にアラビア文字が併記されているのを見ると「漢字の国なのに」と最初はちょっと不思議な気がした。キャンパスの周辺にも清真食堂が何軒かあり、ときどき晩飯を食べに出かける。そうした食堂では、豚肉はもちろんタブーだ。

日本語教師
北方民族大のアーチ型の正門


学生に日本食らしき晩飯を振る舞う約束をした日のこと。スーパーへの買い物に回族の学生が同行してくれた。その学生はもちろん豚肉はダメ。煮込みハンバーグをメニューにしていたのだが、自宅でやるように牛豚の合挽肉は使えない。幸い牛肉のミンチが清真肉売り場にあったので、それを約1キロ買って帰り、100%ビーフのハンバーグを作った。他に作ったのは、ちらし寿司と厚焼き卵と野菜炒め。やってきた5人に指示して手伝わせ、出来上がった料理をテーブルに並べてから、「いただきます」を唱えさせて戦闘開始。大人の握りこぶし大のハンバーグを人数分作ったのだが、それが真っ先になくなり、桶に盛ったちらし寿司もすべて胃袋に収まった。
 子供が大好きな日本食らしきメニューは、学生にとって初めての体験。食を通じて日本への関心をいっそう高めらたらいいな、と料理自慢(?)の腕をさすった晩さんだった。

目黒精一(めぐろ せいいち)さんのご経歴を紹介します。
元新聞記者。『中国の若い世代に日本語と日本の歴史・文化、さらに人気のサブカルチャーや政治経済の動向など「日本のいま」を伝えたい!日中の互恵関係の発展に幾分かでも寄与したい!』との思いで、センター中国派遣プログラムに応募。2011年度研修会(センター主催)を修了後、福建師範大学へ3年間赴任。
 新聞記者生活を通じて身に付けた“正確で分かりやすい日本語で表現する力”と“インタビューした相手の方々に明快な日本語で意図を伝えるための会話力”を活かし、現在、北方民族大学(寧夏自治区)で活躍中。。

 

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