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チャイナ・レポート(Web版)

増値税の改革(2017年11月1日号掲載)

日中産学官交流機構 特別研究員 田中 修

 李克強総理は、9月27日、「営業税を増値税に改める改革座談会」を開催し、営業税を増値税に改めるテストを一層深化させ、関連する財政・租税政策を整備することを検討した。会議には、国務院責任者のほか、地方政府・業界・学界の代表が参加して意見を述べた。
 2016年5月からテストが全面実施されて1年以上が経過しており、ここで総括を行うという趣旨であろう。

(1)参加者の共通認識

 会議においては、「営業税の増値税への転換は、今期政府の最重要な財政・税制改革措置及び減税政策であり、多重の積極効果を発揮した」と総括された。
 これは具体的には、「まず税制の統一を通じて、現在までに企業の税負担を累計で1・7兆元を軽減し、課税ベースの拡大と雇用増加をもたらし、業種管理の一層の規範化を促進した」とされる。
 しかし、それのみならず、この改革が「経済構造調整と大衆による起業・万人によるイノベーションを有力に推進し、新産業・新業態等の新たな動力エネルギーの急速な成長を生み出した」ことが特に強調されている。

(2)李克強総理の重要講話

 李克強総理は、まず5年間のテストは、「容易ではない良好な成果を得た」とし、「経済が安定の中で好転するために有力な支えを提供すると同時に、少なからぬ経験をも累積した」と総括する。
 そして、「現在、国際競争は日増しに激烈になっており、多くの国家は減税等の措置を通じて投資環境を改善している」とし、今後については、「行政の簡素化・減税・費用の引下げを通じて、制度的な取引コストを引き下げなければならない。
 起業・イノベーションを奨励し、産業のグレードアップを推進し、各種市場主体の公平な競争を促進するビジネス環境の総合優位性を形成して、より大きな程度に市場の活力を奮い立たせなければならない」としている。増値税改革が、大衆によるイノベーション推進と、企業の国際競争力強化の重要な手段として認識されていることが分かる。

 今後の政策としては、次の4点が強調された。

①税負担の全面的軽減を確保する
  小規模納税者と税額の簡易計算等の政策を整備し、一般的な税額計算方法の適用範囲を徐々に拡大する。金融・建築等の業種と小型・零細企業の税額控除不足の問題を解決する。

②徴収管理のサービス水準を高める
  仕入れ税額について取るべきものは取り、控除すべきものは控除して、より十分に減税のボーナス効果を納税者に享受させる。
  国税・地方税を整理合理化し、課税処理のプロセスを簡素化し、税情報の管理水準を高める。増値税の虚偽領収書発行等の税を騙し取る行為を厳格に取り締まる。

③営業税を増値税に改めるテストの全面実施は、実質的に営業税が既に廃止されたということであり、関連法規の改廃を、できるだけ速やかに開始する

④増値税制度の後に続く改革を早急に推進する
  増値税の標準税率を検討・整備し、税率構造を最適化し、適切な時期に現在の税率をさらに簡素化・統合する。製造業の増値税の税負担を一層引き下げる方法を、早急に検討・制定する。

 さらに今後の大きな改革としては、「中央と地方の財政権限と支出責任を区分する改革を早急に推進しなければならない」とする。
 増値税改革は、中央財政・地方財政の関係見直しという、財政制度改革の一環と位置付けられているのである。
 このため、「地方税体系の建設を積極かつ穏当に推進し、地方が主体となる税目の育成を加速し、東部・中部・西部のバランスのとれた発展をより好く促進する」と、地方財政の強化が重視されており、他方で地方は、「増加した収入を発展の持続力増強と民生の改善に用い、わが国経済の中高速成長を維持・推進し、ミドル・ハイエンドへと邁進させなければならない」としている。


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